GPUの利用を検討しているなら、月額費用を抑えられるクラウドGPUがおすすめです。自社で環境を構築する必要がないため、必要なときに必要な分のリソースを使うことができ、インスタンスの追加・変更にもフレキシブルに対応できます。また、クラウドGPUならインスタンスの一時停止はもちろん、自社で購入をせずに常に新しいモデルを利用できるため、GPUの運用コストをコントロールできることも魅力的なポイントです。
ここでは、クラウドGPUサービスを提供する19社の紹介とともに、コスパ・シェア・ラインナップにおいて特徴的な強みを持つ3社を特集します。
大手GPUメーカーのNIDIVA公式ホームページ、ならびにGoogle検索を駆使して調査したクラウドGPUサービスのうち、特徴的な強みを持つ3社を選定しました。各サービスの「強み」の詳細にご注目ください。
コスパ
GPUSOROBAN
ここが強み
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AWSクラウド
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ラインナップ
Microsoft Azure
ここが強み
GPUクラウドサービスとは、インターネットを通じて高性能なGPU(Graphics Processing Unit)を利用できるクラウドベースのサービスです。従来、GPUを活用するためには高額なハードウェアを購入し、維持管理する必要がありました。しかし、GPUクラウドサービスを利用することで、初期投資を抑えつつ、必要な時に必要な分だけの計算リソースを柔軟に活用することが可能になります。
特に、機械学習やディープラーニング、3Dレンダリング、ビッグデータ分析など、大量のデータ処理や複雑な計算を要する業務において、その威力を発揮します。クラウド上で提供されるため、最新のGPU技術を手軽に利用でき、プロジェクトの規模やニーズに応じてリソースを迅速に調整できる点が大きな魅力です。
GPUクラウドサービスは多岐にわたる分野で活用されています。以下に具体的な活用例と導入事例を紹介します。
大量のデータを用いたモデルのトレーニングには高い計算能力が必要です。GPUクラウドを活用することで、学習時間を大幅に短縮し、効率的なモデル開発が可能となります。
映画やゲームの制作において、高品質な3Dグラフィックスのレンダリングは膨大な計算資源を要します。クラウド上のGPUを利用することで、レンダリング時間を短縮し、制作プロセスを効率化できます。
大量のデータセットの解析やシミュレーションにおいて、GPUの並列処理能力を活かすことで、データ処理の高速化と効率化が実現します。
ヘルスケアアプリ「FiNC」のAIによる画像解析にさくらインターネットの高性能GPUサーバーを導入。AIモデルの学習時間を短縮し、サービスの品質向上を達成しました。
QTnetのGPUクラウドサービスを活用し、生成AI向けの高速なGPUリソースを確保。AIサービスの提供を迅速かつ効率的に行っています。
膨大な日本語データを活用したAI研究のためにNVIDIA A100 GPUを導入。作業効率が2~3倍に向上し、AI研究の深化と効率化を実現しています。
これらの事例から、GPUクラウドサービスが企業の業務効率化やサービス品質向上に大きく寄与していることがわかります。自社のニーズに合わせて適切なサービスを選択することで、競争力の強化が期待できます。
GPUクラウドサービスは、オンプレミス環境と比較して以下のような利点があります。
オンプレミスで高性能なGPUサーバーを導入するには、数百万円から数千万円の初期投資が必要です。一方、GPUクラウドサービスでは初期費用が不要で、利用した分だけの従量課金制が一般的です。これにより、必要な時に必要な分だけリソースを利用でき、コストを最小限に抑えることが可能です。
GPUクラウドサービスでは、需要に応じてリソースを簡単に増減できます。プロジェクトの規模やニーズに合わせて、リソースを柔軟に調整できるため、繁忙期にはリソースを増やし、閑散期には削減するなど効率的な運用が可能です。オンプレミス環境では、リソースの追加や削減に時間とコストがかかり、迅速な対応が難しい場合があります。
クラウドプロバイダーは、動作検証済みのソフトウェアやテンプレートを提供しているため、ユーザーは複雑な環境構築の手間を省き、迅速に作業を開始できます。オンプレミス環境では、ソフトウェアのバージョン不一致などによるエラーが発生しやすく、環境構築に時間がかかることがあります。
高性能なGPUサーバーは大量の電力を消費し、発熱も大きいため、オンプレミス環境では電力供給や冷却システムの整備が必要です。GPUクラウドサービスを利用することで、これらの問題をクラウドプロバイダーに任せることができ、ユーザーは対策を考慮する必要がありません。
GPUは技術の進歩が早く、新しいモデルが次々と登場します。オンプレミス環境でGPUを購入すると、短期間で陳腐化するリスクがあります。GPUクラウドサービスでは、最新のGPUを必要に応じて利用できるため、常に最新の技術を活用できます。
これらの利点から、GPUクラウドサービスは、コスト効率や柔軟性、最新技術の活用といった面でオンプレミス環境よりも優れています。
GPUクラウドサービスとGPUレンタルサービスは、どちらも高性能なGPUリソースを提供しますが、その提供形態や利便性においていくつかの違いがあります。以下に、GPUクラウドサービスの利点をGPUレンタルサービスと比較して詳しく説明します。
GPUクラウドサービスでは、ユーザーは必要なときにすぐにGPUリソースを利用開始できます。クラウドプロバイダーが提供するプラットフォームを通じて、複雑な環境設定やソフトウェアのインストールを行うことなく、迅速に作業環境を構築できます。一方、従来のGPUレンタルサービスでは、利用開始までに時間がかかる場合や、環境設定に手間がかかることがあります。
GPUクラウドサービスはオンラインで簡単に申し込みができ、煩雑な手続きを経ずにすぐに利用できます。これに対し、GPUレンタルサービスでは契約手続きや配送、設定などが必要となり、手間がかかることが多いです。クラウドサービスを利用することで、手軽に高性能なGPUを活用できるため、ユーザーはコア業務に集中できます。
GPUクラウドサービスは、時間単位の従量課金制を採用していることが多く、必要な時に必要な分だけリソースを利用できます。これにより、無駄なコストを抑え、効率的なリソース管理が可能です。一方、GPUレンタルサービスでは、月額や日額の固定料金が設定されている場合が多く、短期間の利用や利用頻度が不規則な場合にはコスト効率が低下する可能性があります。
GPUクラウドサービスでは、需要に応じてリソースを動的に増減させることが容易です。例えば、大規模なプロジェクトの際にはリソースを増やし、プロジェクト終了後には削減するなど、柔軟な運用が可能です。また、タスクの内容に応じて異なるGPUタイプを選択することもできます。一方、GPUレンタルサービスでは、リソースの増減やGPUタイプの変更に制限がある場合が多く、柔軟な対応が難しいことがあります。
GPUクラウドサービスでは、ハードウェアのメンテナンスやソフトウェアのアップデートはクラウドプロバイダーが担当します。これにより、ユーザーはこれらの手間から解放され、コア業務に集中できます。一方、GPUレンタルサービスでは、ユーザー自身がメンテナンスやアップデートを行う必要がある場合があり、その分の労力や時間が求められます。
GPUクラウドサービスは、インターネット接続があれば、場所や時間、デバイスに制限されることなく利用できます。これにより、リモートワークやモバイル環境でも高性能なGPUリソースを活用できます。一方、GPUレンタルサービスでは、アクセス手段や利用環境に制限がある場合があります。
以上の点から、GPUクラウドサービスは、即時利用性、コスト効率、柔軟性、メンテナンスの手間削減、そしてアクセシビリティの面で、GPUレンタルサービスよりも優れています。特に、変動するニーズや多様なタスクに対応する必要がある場合、GPUクラウドサービスの利用が効果的です。
クラウドGPUではコストやラインナップのほかにも、
セキュリティ面やサポート体制など、企業によって重視するポイントはさまざまです。 各社の特徴を確認し、ぜひ自社にあったサービス探しの参考にしてください。
Amazonが提供しており、P4・P3・G4インスタンスを用意しています。P4はNVIDIA A100のGPU、P3はNVIDIA V100、G4はVIDIA T4を搭載。GPUのボード数やメモリ数を選択でき、割引価格で利用できる年間契約プランを提供しています。利用停止になっても問題ない簡単な作業を行う場合は、スポットインスタンスを利用するのも一つの手です。特徴や詳細は以下から確認できます。
Google社のインフラを活用でき、コンピューティングワークロード・グラフィックワークワードロード用のGPUサーバーを展開しています。L4・A100・T4・P4・V100・P100・K80の各GPUを搭載したプランを提供しており、
運用時には理解度に応じたサポートが受けられます。GPUの特徴やサポート詳細は以下からご確認ください。
クラウドGPU
Google Cloud Platform(GCP)(Google)について
IDCフロンティアが運用する月額上限料金のあるクラウドGPUです。従量課金制ですが上限があるので、運用費用が想定よりも高くなる心配はありません。GPUはTesla P100・Tesla M40を揃えており、専有サーバーで他者の干渉を気にせず利用できます。特徴や月額上限料金に関する詳しい内容は、以下より確認しましょう。
クラウドGPU
IDCFクラウド
(IDCフロンティア)について
MicrosoftのGPUを搭載した仮想マシンで、NCasT4_v3・ND A100 v4・NGads V620・ NV・NVv3・NDm A100 v4シリーズを提供しています。GPUメモリ数・想定ネットワーク帯域幅・一時ストレージなどがシリーズにより異なり、用途に合わせて選択することが可能です。サポートプランは4つ提供しており、応対速度が速い有料サポートプランもあります。サポートプランの内容については以下より確認できます。
NVIDIA Quadro RTX 6000のGPUカードを搭載しています。プラン別に1~4枚のGPUカードを搭載しており、各ユニットにCUDA・Tensor・RTコアが積まれています。
7日間のトライアル期間が設けられているほか、有料のバックアップサービスも提供中です。プラン内容やバックアップサービスに関する情報は以下よりご確認ください。
アリババが提供するインスタンスファミリーには、NVIDIA A100・NVIDIA A10・NVIDIA V100・NVIDIA T4・NVIDIA P4・NVIDIA P100のいずれかが搭載されています。GPUカード数やメモリ数が異なり、プラン別に処理速度や処理性能に大きな違いがあります。単純処理から膨大な処理まで対応できるプランを提供中です。プラン料金やサポートの内容については以下より確認しましょう。
高火力プランではクラウド型のGPUサービスも提供しており、サーバーを専有できます。NVIDIA V100 32GBを搭載しており、月・日・時間単位のいずれかの料金プランを選択することが可能です。また、国内にある石狩データセンターでGPUサーバーを運用しており、セキュリティ性を向上させているので、情報漏洩対策ができます。特徴やセキュリティに関する詳しい情報は以下より確かめてください。
クラウドGPU
さくらのクラウド 高火力プラン
(さくらインターネット)に
ついて
ハイレゾのGPUSOROBANは時間単位の料金設定で、「NVIDIA A100」や「NVIDIA A4000」を利用している
サービスと比べると最大50%以上安くなるクラウドGPU(2023年7月調査時点)です。高速コンピューティングは機械学習や生成AI、シミュレーションに、リモートワークステーションはCAD・BIM・CG制作などに活用できます。セキュリティやGPUスペックの詳細についての紹介は以下よりご確認ください。
フルカスタマイズのクラウドGPUで、用途に合わせてインスタンスの追加やCPU変更、HDD増設に対応しています。トライアル期間が設けられているので、利用前に使用感を確かめられます。料金は月額制で、搭載するGPUやコア数によっても変動します。専有サーバーなので、他者からの干渉を受ける心配はありません。カスタマイズやサポートについては以下より確認できます。
NTTPCコミュニケーションズが提供するGPUクラウドは、NVIDIA A100を使うことができるAI・ディープラーニング用途に特化したVPSサービスとなっています。国内最安値と謳うほどの価格水準でGPUを手軽に使うことができ、その課金方法も時間従量タイプ・月額固定タイプの2通りから選べるとともに、20日間の無料トライアルも申し込むことが可能です。
アスク初のGPUクラウドサービス「ASK Visualize cloud(アスク ビジュアライズクラウド)」は、データセンターにGPU搭載の複数EGXサーバーからなる環境を構築しています。クラウドを通じアスクで取り扱うソフトウェアを利用可能なのが魅力であるほか、オンプレミス環境や他クラウドとの統合もできます。
NVIDIAの高速GPUを搭載し、処理時間を大幅に短縮することで、格安料金プランを実現しているGPUクラウドサービスです。インスタンス停止中に課金されないことはもちろん、初期費用もかかりません。また、タスクに応じてGPUの変更ができるなど柔軟性も魅力です。設定も簡単。クラウド未経験でも3分程度で使用できます。
raytrek cloud
(株式会社サードウェーブ)について
WebARENA IndigoGPU はAIとディープラーニング用途に特化したVPSサービスであり、「低コストで利用が始められる」点と「最短3分で設定が可能」という2つの特徴を持つソリューションです。月額課金や時間課金など使った分だけの費用支払が可能なため、目的に応じた効率的な運用を実現することができます。
WebARENA IndigoGPU
(株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ)について
NVIDIAのCPUが利用可能なVPSです。全てのプランが初期費用無料・3ステップで利用可能な利便性の高さに加え、最低利用期間がないため、より手軽に利用可能なサービスとなっています。サポートだけのコンテンツもあるなど、はじめてVPSを利用する場合のハードルも低く設定されています。
ConoHa vps
(GMOインターネットグループ株式会社)について
TEKIPAKI CloudGPUでは、NVIDIAの高性能GPUサーバーを低コストで利用可能。必要な時に必要な分だけの柔軟なクラウド利用で、維持管理の手間を省き、開発に集中できます。様々な業界でのAIや3Dレンダリング作業にも対応できます。
TEKIPAKI CloudGPU
(テックウインド株式会社)について
HPCシステムズ株式会社が提供している、NVIDIA GPU A100搭載のクラウドサービスです。GPU枚数と利用日数で料金が決まるため、必要な分だけ利用できるのが特徴。導入前から導入後まで、不明点や疑問点、トラブル発生の際はカスタマーサポートが対応しており、サポート体制も整っています。
Science Cloud GPU
(HPCシステムズ株式会社)について
Lambdaが提供するLambdaは、NVIDIA H100SXM・NVIDIA H200SXM・NVIDIA GH200のインスタンスを搭載しています。GPU数・メモリ数に合わせて、適したインスタンスを選択可能。テクニカルサポートも整っており、わからないことがあればすぐに専門家・エンジニアに相談できます。より詳しい情報は以下からご確認ください。
Cudo Computeは「Cudo Compute」が提供しているGPUサーバーです。AIや機械学習、レンダリングなどを目的とした使用に適しています。NVIDIAのさまざまなクラウドベースを取り揃えており、必要に応じて予約・レンタルが可能です。
Cudo Compute
(Cudo Compute)について
AIワークロードをすすめることを目的としたGPUインスタンスを提供しているRunpod。料金は時間制を基本としており、搭載するGPU・コア数によって変動するものの、手ごろな価格でクラウドGPUがレンタルできます。分単位課金され、無駄のないレンタルが可能です。
コアウィーブは最適かつ柔軟なインフラストラクチャ、スケールを促進するクラウドソリューションという特徴を持っており、NVIDIAの献身的なパートナーとしてクライアントにサービス提供を行い続けています。これらのサービス・ソリューションを適切な価格水準で提供できるという強みも持っており、顧客のイノベーションを推進します。
データセンターや個人の所有している、未使用のGPUを活用しながら、手ごろな価格でリソースを提供している会社です。リソースのオーナーが価格をそれぞれ決定しているため、コストパフォーマンスに優れています。また簡単な操作で使用可能な一方で、自分自身の利用しやすいようにカスタマイズできる柔軟性の高いサービスです。料金は時間制を基本としており、GPU・CPU・ストレージによっても異なります。自分にとって適したものを、適した分だけ手にすることができ、無駄のない利用方法が特徴です。
世界最大手企業IBMによって提供されているクラウドGPUサービスになります。様々な用途に、幅広く対応しており、例えば生成AIを活用した新サービスの生成や、従来のAIやアルゴリズムを活用したユーザーニーズなどの予測・分析、財務やEDA、ライフサイエンスなどの分野に用いる計算集約型アプリケーションをより高速化するなどに対応可能。ニーズに応じてGPUのスペックを幅広いオプションのなかから選べるようになっています。
ABCI(AI Bridging Cloud Infrastructure、AI橋渡しクラウド)は、産総研(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)が構築を行い、株式会社AIST Solutionsによって運用されている大規模クラウド計算システムです。日本の企業や中小企業、研究者が利用可能であり、利用にあたっては事前にABCIポイントに相当する利用料金を納付します。
TSUBAME4.0 は東工大で稼働を開始したスパコンであり、以前のバージョンから「みんなのスパコン」としてあらゆる貢献を行ってきました。その高い性能によりさまざまな研究・開発に貢献しています。その性能の高さはあのスパコン「富岳」に次いで2位相当であるとされており、今後の活躍も大きく期待されています。
Wisteria は東京大学情報基盤センターが運用するスーパーコンピュータシステムであり、シミュレーションノード群(オデッセイ)とデータ・学習ノード群(アクエリアス)の2つの計算ノード群を持つシステムであり、「富岳」と同じく富士通株式会社の「FUJITSU Processor A64FX」を搭載した計算ノード7,680台から構成されています。
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